【尾張七宝とは】日本の中心から輝きを放つ

尾張七宝の製作工程

素地を作る

金属でできた素地に釉薬をつけ一度焼きます。
この工程で作品のベースが出来上がります。

銀線を立てる

純銀製の線をデザインの輪郭にそって立てていく工程。
一つ一つのパーツは極めて小さく、集中力を要します。

釉薬をさす

立てられた銀線の中にガラス質の釉薬を小筆で差し込んでいきます。
この段階で色の濃淡を演出する重要工程です。

焼成

焼成は少なくとも7回。釉薬の層を作り立体感を演出します。

研磨

七宝の最終工程。
粗さの異なるダイヤモンドペーパーを用いて
艶を出していきます。

七宝とは

七宝とは、主に金属で作られる素地に銀線を立て、そこにガラス質の釉薬を焼き付け装飾する工芸品をさします。前述した銀線をデザインの輪郭としてそのまま生かす技法を「有線七宝」、銀線を使わない、または釉薬を入れるタイミングで銀線を抜きファジーな印象をもたせる「無線七宝」など様々な技法があります。

いずれも七宝でしかなしえない技術が詰め込まれている素敵な商品ばかりで見る者を魅了します。

尾張七宝の色彩美

尾張七宝とは、名古屋市およびあま市でつくられる焼き物です。焼き物というと土をろくろを用いて成型するイメージがあるかもしれませんが、尾張七宝では土は使いません。

使うのは金属でつくった素地と最高級なガラスであるクリスタルガラスで出来た釉薬です。各地の七宝とは異なり、立体の作品、花生、骨壺といった比較的大きい商品を作ります。最大の特徴は、花鳥風月のデザインを輪郭となる部分に銀線を施す有線七宝。

つるっとした表面に引き込まれるような奥行きを感じることができる逸品です。名古屋の西には七宝町という町もあり、江戸時代から製造が盛んだったことにちなんでつけられたそうです。そんな七宝町では今も尚最前線で七宝を制作する職人が点在しています。

七宝の語源は!?

そもそも7つの宝と書く「七宝」とは何か。語源は文字通り、仏教の経典に出てくる7つの宝物にあり、その宝に匹敵するほど美しかったことから七宝と名付けられたそうです。ルーツは紀元前、日本には6,7世紀に中国・朝鮮を通り伝達しました。時は進み17世紀、江戸時代。

京都の平田道仁が朝鮮に足を運び、技術を学んだとされています。そんな江戸時代には、平田道仁の活躍もあり、七宝づくりが盛んにおこなわれるようになりました。主に刀装具や神社仏閣、城に用いられる釘隠し、ふすまの引きで等の装飾に用いられていました。

しかし、このような技術は、平田家のみにとどめられ万人がその技術を用いることはなかったそうです。その後、尾張の地で、梶常吉が七宝の技法を解明し、「近代七宝」が始まり、それが尾張七宝の始まりとされています。そこから全国各地、東京、京都へと広がりを見せていきました。

現在の尾張七宝

これまでの七宝の歴史を振り返ると、日常品というよりも美術品、鑑賞品を中心に作られてきた尾張七宝ですが、現在では様々な日用品に形を変え、私たちの生活を彩ります。

例えば、加藤七宝製作所ではインテリアとしてゴッホをはじめとする有名画家の作品を、七宝技術を用いて彩る作品が作られています。天才の生み出した鮮やかな色彩と七宝焼独自の美しい質感が融合し唯一無二の存在になります。

その中でも、「宇宙シリーズ」にはこれまでにない七宝の姿を見ることができます。無線七宝で制作されるその姿は、宇宙そのもので、煌めく銀河の具現化は見る者を魅了します。インテリアに加えることでお部屋の華やかさがグッと増すことでしょう!

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職人がこだわり抜いて作った尾張七宝はあなたの生活を華やかにすること間違いなしです。日常を彩るお供に歴史が生み出した美の結晶である尾張七宝を用いてはいかがでしょう。各種七宝作品は水玄京オンラインストアよりご購入いただけます。是非ご覧ください。

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