房州うちわの製作工程
竹伐り
冬の季節に竹を刈り取ることが一般的。
選定する竹は一定の太さで節が等間隔であり、
まっすぐな竹が適切とされています。
割竹
竹を細かく割いていき、うちわの骨となる部分を形成します。
竹の中心から偶数に均等に割き余分な部分はこの工程の際に削り落とします。
編竹
うちわの骨を糸で交互に編んでいきます。
窓作り
うちわの骨を固定させるために、両端を糸と弓で結びます。
貼り
うちわの骨に和紙を貼る工程であり、竹ヘラを用いて、
骨の間隔を均等に整え、空気が入らないよう接着していきます。
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房州うちわとは
房州うちわとは、一本の竹から作られる千葉県の伝統的工芸品です。日本三大うちわ(丸亀うちわ、京うちわ、房州うちわ)のひとつで平成15年に経済産業大臣より伝統的工芸品と認定されています。
房州うちわの特徴
軽さ・しなやかさから生まれる心地よい風が、房州うちわ最大の特徴です。骨組みのすべてが竹で作られているため、全面でしなり、やさしい風を作り出します。うちわを仰いでいると腕が疲れ、むしろ暑くなってくるという経験が皆さんもあるのではないでしょうか。
房州うちわは仰いでいるという感覚のないまま涼しい風が吹いてくる上に、腕が疲れません。老若男女問わず使うことのできる優れものです。
房州うちわの歴史
奈良時代に中国から伝来したうちわは、「扇ぐ」ものとしては使われておらず、高貴な人が顔を隠すことや、虫を払うための道具として用いられていました。庶民が使用し始めたのは江戸時代。
料理などで火を起こす際、暑さしのぎの為など、日常生活の道具として使用されるようになりました。工芸品名にもなっている房州は千葉県の地名で、うちわ作りにかかせない、柔軟性に富んだ竹が良く育ちます。
元々江戸で作られていたうちわですが、大正時代の関東大震災により江戸で商売をすることが難しくなった職人たちが材料を採取できる房州地方へ移動し、「房州うちわ」としての製作がスタートしたとされています。
運気を高める房州うちわ
うちわは、仰いで風を起こすことで、厄を吹き飛ばし、邪気を払うとも言われています。そのため、日本各地の神社では厄除けのお守りとしても販売されています。うちわを仰いで起こる風には、神様の力を呼び起こし、気配を強めたりするという意味もあります。
日本のお祭りではうちわを持参し扇ぐのが夏の風物詩です。扇がれる用途としてはもちろん暑さをしのぐことにもありますが、神様の力を奮い立たせ災厄をお祓いお祭りを盛り上げるためともされています。
房州うちわは、持ったその時から一般的なうちわとは異なることを感じることができる逸品です。実用的な用途のみならず、インテリア、飾りとしても用いることができます。水玄京オンラインショップに商品をご用意しておりますので、是非ご覧ください。