京瓦の製作工程
造形
図面を見て全体の形を整えていく工程。
全体的な形はもちろん、鬼瓦であれば表情へのこだわりを詰め込む工程。
仕上げ
程よく固まった後
へらを用いて仕上げをしていきます。
無駄な部分を取り除き、艶を出していきます。
YouTubeで京瓦の製作工程をご覧いただけます!
700種類までにも分類される京瓦
日本の伝統風景ともいえる社寺や町屋の外装を目にした際に、瓦屋根の繊細な装飾や美しさに感動する人は多いのではないのでしょうか。6世紀末、日本に伝来された瓦は、寺院建築からの需要が高まったことにより、日本独自の発展を遂げ、その後の平安建都をきっかけに京都での京瓦産業が盛んになりました。
現在では、屋根全体に敷かれる地瓦よりもヤクモノと称される鬼瓦や軒瓦 が中心となって多くの場所で使われています。
また、京瓦の大きな特徴の一つとして、瓦の種類の数が挙げられます。京瓦の種類は700種類に展開され、その多種多様なデザイン性により、寺院や神社から町家まで様々な場面で活用されています。700種類まで分類される京瓦は現在も日本の伝統建造物を支え、民家にも受け入れられ続けています。
京瓦の歴史
飛鳥時代に日本に伝えられた瓦は、大変貴重なものとして寺院や城郭などの伝統を重んじる建造物に長い間使われていました。その時代に東山地域周辺で採れる粘土を使用し、原料の焼成前に磨くことで、他の瓦とは異なる光沢を施したものが京瓦とされています。
その後、民家の屋根材として京瓦が使用されるようになったのは江戸時代後期でした。民家に京瓦が普及した要因として、8代将軍徳川吉宗の勧めにより、火災による民家の延焼による被害を阻止するための防火対策として瓦を取り入れたのが大きな要因となっています。
1200年以上の歴史を持つ瓦は、全国で生産されていますが、重厚感溢れつつも繊細な印象を兼ね備える京瓦は、品質、艶の点で古くから高級品として扱われています。
京瓦が直面する問題
上記の説明の通り、昔は京都で採れる粘土を原料とし、京都の伝承されてきた技術を駆使して作る瓦を京瓦と称されてきました。しかし現在では、京都に粘土はあるにもかかわらず、都市開発が活発化し、粘土が家の下に埋もれている状況になっています。
現在は愛知県産の粘土を使用していますが、 京瓦と呼ばれるからには、古くから継承されてきた技術、原料の全てを京都産にしたいと思う職人さんがいらっしゃいます。
このような問題を解決するために、廃京瓦を砕いて粉末状にしたものを混合し新たな瓦を作る研究が続けられており、現段階での研究結果によると、粉末状の瓦を混ぜる量によっては、従来の土だけで形成されるものよりも、硬度が増すことが分かっています。
皆さんも神社や寺院を訪れ、京瓦を目にした際には京都の古くから伝承される「磨きの技術」に注目してみると一層瓦の魅力を感じとれるのではないでしょうか。
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