【美濃焼とは】美濃国からグローバル規模の陶磁器となった道のり

美濃焼とは

美濃焼とは美濃国(現在の岐阜県)の東部地域で生産されてきた陶磁器の総称です。実は、国内で生産される陶磁器のおよそ50%が美濃焼と言われています。和食に欠かせない器も、お茶を飲む際に使うコップも、多くが美濃で焼かれていて、私たちの生活にいちばん身近な工芸品と言っても良いでしょう。

美濃焼の特徴

そんな美濃焼の特徴といえば、人々の好みに合わせて新しく釉薬を開発し、技術を築いて様々な姿形、色彩の焼物を誕生させてきたことです。そのため、美濃焼とは色や形状、絵付けなど、形式にとらわれることなく変化してきた工芸品で、その様式の種類は15種類にものぼります。また、多様性に富んだ焼き物で自分だけのお気に入りの陶器を探すことができるのも美濃焼の大きな特徴とも言えるでしょう。

美濃焼の歴史

美濃焼の歴史は1400年前の飛鳥時代まで遡り、その当時に須恵器と呼ばれる土器が作られたことが、岐阜県焼き物文化の始まりだと言われています。そして安土桃山時代には、わずか30年ほどの間に、唐物から和物に改革された茶の湯の世界の流行と共に、芸術性の高い美濃焼が登場してきます。

自由な形、大胆かつ繊細な絵付け、多様な色彩と個性あふれる美濃焼は『美濃桃山陶』と称され、美意識の頂点まで上りつめたと言われています。しかし、作品の美しさや、個性を追求したものが作陶の主であった美濃焼は、明治から昭和にかけて衰退の危機に追い込まれてしまいます。

伝統を守るだけではなく、生活していくために新たな道を模索しなければならなかった陶工たちは、日常雑器を焼くことを選び、その頃から普段使いしやすい陶磁器の製作に力を入れようになりました。こういった歴史背景から美濃焼の姿形は現在に至るまで変化していき、職人さんたちの確かな技術によって今も尚日本の家庭には重要な陶磁器となっています。

現在の美濃焼

現在もたくさんの人に愛される美濃焼は上記で説明されたように、陶磁器の国内シェアで5割を誇り、食卓の器を支える存在となっています。釉薬の流れや独特な形を陶磁器の表情として楽しむ、茶人好みの美濃焼きらしさは今でも親しまれ、時代にあった形の模索が職人の方々に模索し続けられています。また、美濃焼の人気は日本国内にとどまらず、その多様なデザイン性から西洋でも受け入れられています。

2020年パンデミック後には、自宅で時間を過ごす人が増えたことからリノベーションブームが訪れ、新たな食器やコップを購入し私生活を豊かにするため、美濃焼を購入した人が多くいたそうです。現在では料理と食器の組み合わせ、自宅のレイアウト等に和洋折衷の雰囲気を取り込む人は多く、このような場面で美濃焼の形式にとらわれないデザイン性は空間を調和するのに必要不可欠であり、世界的に注目される理由となっています。

特徴がないことが特徴と言われるほど、多様な色、形が存在する美濃焼は国内に限らず、世界的な陶磁器となっています。現在、水玄京オンラインサイトでも多数在庫を用意しておりますので、お客さま好みの美濃焼をぜひ感じていただきたいと思います。

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