和蝋燭の製作工程
芯づくり
竹串に和紙を巻き芯を形成します。
その上にイグサを巻いていきます。
蝋付け
その芯に蝋をつけ、十分に蝋を吸わせて固めていきます。
職人の手の感覚を頼りに1本1本丁寧に蝋をつけていきます。
絵付け
シンプルな単色のみならず、一つ一つ丁寧に絵付けをしていく商品もあります。きわめて細い蝋燭に対して、繊細なタッチで魂を吹き込みます。
YouTubeで和蝋燭の製造工程をご覧頂けます!
和蝋燭ならではの強み
蝋燭に灯るユラユラと揺れる火を見ていると心が癒される人は少なくないのではないでしょうか?和蝋燭は一般的な海外の蝋燭よりも大きな火を灯し、風のないところでも形を変え続けます。
なぜ、風がなくても形を変えるのでしょうか。秘密はその構造にあります。和蝋燭の芯は内部が空洞になっており空気の流れを作るため、炎に動きが生まれます。その芯は太く消えにくい大きな火を灯すのです。
また蝋燭といえば受け皿が溶けた蝋でドロドロになるイメージがあるかもしれませんが、和蝋燭は蝋が垂れてきません。その理由として和蝋燭は芯が太く、蝋とのバランスが完璧なのです。昨今、持続可能な取り組みが求められる中、日本人の原料を無駄にしない“もったいない精神”が表れている手仕事には大きな価値があると考えます。
和蝋燭は江戸時代の高級品
和蝋燭誕生の起源は奈良時代に中国から伝えられたミツバチの巣で作った蜜蝋燭にあると言われています。この歴史的背景から蝋燭の「蝋」に虫へんが使われるようなりました。
そんな和蝋燭ですが、平安時代の遣唐使廃止を境に蜜蝋燭の供給が絶たれ、室町時代に櫨(はぜ)や漆を原料とした和蝋燭が作られるようになります。その後、江戸時代後期から明治時代に和蝋燭が最も使用され、当時は裕福な商人や武家などが手に届く高級品とされていました。
また、外出する際に提灯を使用する機会が増えたことも和蝋燭の使用量増加に影響したと言われています。
現代では電気の発達により、蝋燭を使う機会が減っていると思いますが、環境に配慮した和蝋燭に火を灯し、古くから継承される職人技を感じてみるも良いのではないでしょうか。
若者間での和蝋燭ブーム
近年、コロナ禍の影響により、自宅で濃密な時間の過ごし方を模索している若者が新たなインテリアを取り入れるため、和蝋燭に注目しています。その理由として、和蝋燭の鮮やかな色彩やバラエティー性が挙げられます。
和蝋燭の絵柄は昔から日本画が主流とされてきましたが、現在では若い世代に和蝋燭の魅力を伝えるために、お客さんが希望する絵柄を和蝋燭絵師の方々が施すサービスを提供しています。
実際に京都の和蝋燭屋を訪れた際には、ディズニーキャラクターの絵柄が手作業によって描かれており、西洋のイラストと日本伝統技術を織り交ぜた和蝋燭は日本国内のみならず、海外の方々にも受け入れられるのではないかと感じました。
皆さんもデザイン性を兼ね備えた和蝋燭をインテリアとして私生活に取り入れ、至福のひと時を体験してみるのはいかがでしょうか。
最後に
蝋燭は世界各国で使われているものだと考えます。海外土産やギフトとして実用性のある和蝋燭のプレゼントは大変喜んでいただけると思いますので、ぜひ手に取ってみてください。