【清水焼とは】400年前から続く京都の伝統手芸

清水焼の製作工程

土もみ

京都では陶土を産出しないため各地より土を寄せ集め
ブレンドして制作に用います。
そのため、土の色合いも様々な異なった表情を見ることができます。

成型

ろくろ、ひねり、鋳込など様々な手法があり、回転する円盤に水気を含んだ土をのせ、成形をしていくろくろ成形は、職人の長年の経験に裏付けられた触感を頼りにデザインしていきます。

削り出し

見栄えを良くするためだけに削り出しを行うのではなく、
極限まで軽量化を図るために削り出しを行うという集中力を要する工程です。

絵付け

花鳥風月など、色彩豊かで自由度の高いデザインが特徴です。
人のぬくもりをを視覚で
感じることができます

焼成

約1,200~1,300℃で本焼きをおこない、
素地や釉薬に含まれる物質を変化させ完成されます。
作品によって何度も焼成されることもあります。

YouTubeで清水焼の製作工程をご覧いただけます!

https://www.youtube.com/watch?v=n-A-wBtOws0

京焼・清水焼とは

京焼とは、清水焼が代表される京都の焼き物の芸術品・作品を総称した陶磁器のことを言います。その上で、清水焼の1番とも言える特徴は、焼き物に色絵付きの美しい模様を施し、多様な技法を使うことで他県の陶磁器と差別化を図っている点です。

また、京都は陶磁器の原料となる土の生産が少ないため、日本各地から異なる土を流入して、それらを試行錯誤の上混ぜ合わせ、オリジナリティー溢れる京焼を作り上げます。つまり、職人ごとに作る手法や、原料が異なるため、同じ京焼でも多種多様な陶磁器が生まれるということです。そんな京焼にはどのような歴史があるのでしょうか。

京焼・清水焼の歴史

京焼が焼き物として生産規模を広げたのは桃山時代以降のことでした。この頃に、京都では茶の湯の文化が普及し始め、多くの茶人に京焼きの美しさが評価され、京焼きの人気に拍車がかかりました。

また、江戸時代前期には、多くの京焼職人がデザイン性に優れた陶磁器を作り上げ、世に送り出したことにより、現代でも清水焼は京都を代表する陶磁器として認識されています。

京都には茶の湯文化のほかにも、植物を鑑賞する「華道」、香木を焚きあげ、立ち上る香りを鑑賞する「香道」など様々な伝統芸道文化が根付いており、京都ならではの京料理や和菓子の食文化も古くから多くの人に嗜まれてきました。

これらの日本古くから続く伝統文化を支えるべく、京焼・清水焼は様々なデザインの変化を経て日本だけでなく世界中に発展していきました。

京焼・清水焼の楽しみ方

長い歴史の中で変化を遂げてきた清水焼は、現在になっても人々のライフスタイルに馴染む日用雑貨を通じて、多くの京焼・清水焼ファンを魅了し続けています。 多様なデザインを施し、様々な空間に溶け込むことのできる清水焼は日本国内のみならず、海外からの注目を集めています。

2021年には京都府との共催により香港最大級のショッピングスポットであるタイムズスクエアで「京焼・清水焼展」が開催され、30以上の作品が日本酒や京都産のお香とセットで展示され、多くの来場者が清水焼の美しさ、実用性に感銘を受け、購入されていった方も多数いたそうです。

現在では私生活の中で日常使いする人や、観賞用として楽しむ人など、1つ1つの作品に異なる雰囲気を醸し出す京焼ならではの使用用途が世界から注目されています。

皆さんも日本の陶磁器の代表作として日本伝統文化を支える数少ない工芸品、京焼・清水焼を購入し、多様な楽しみ方を私生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。

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