京友禅の製作工程
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下絵
模様やデザインをしていきます。キャンバスは布でダイナミックな図案を見ることができます。
糸目糊置
隣り合う色が流れこまないようにデザインの輪郭に沿って立体的な糊を置いていきます。
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色挿し
生地の下からヒーターを用いて温め、染料を乾燥させながら作業を進めます。細かい柄を1つ1つ配色していく作業は息をのみます。
伏せ糊置
仕上げに金箔、プラチナ箔など装飾加工を施します。既に色鮮やかな部分に箔をのせると、より一層鮮やかで豪快な印象をつけることができます。
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YouTubeで製造工程をご覧頂けます!
友禅染め発祥の地「京都」
日本には、代表的な友禅染めが4つあります。京都の京友禅、石川の加賀友禅、東京の江戸友禅、新潟の十日町友禅。すべての友禅の始まりが京友禅と言われています。そんな京友禅は、経済産業省指定伝統工芸品に指定されており、日本にとどまらず世界を代表する工芸品になっています。
染織物として、世界中からも人気を集める京友禅の特徴は、色彩豊かに描かれる友禅模様が挙げられます。友禅染めの伝統的な技法としては主に2種類あり、職人の手によって染め上げる「手描き友禅」、型紙を使い染める「型友禅」があります。
加賀友禅には「加賀五彩」と呼ばれる基調となる色があり、統一感のある色合いになりますが、京友禅には基調色というものはなく、職人1人1人が自由に創造性を膨らませデザインをします。
そのため、必然的に生まれるデザインではなく、偶発的に生まれる色彩を楽しむことができることも京友禅の特徴です。
京友禅の始まりは贅沢の禁止?
江戸時代に生まれた京友禅。その始まりは、京都で活躍していた扇絵師(扇に絵を書く職人)の宮崎友禅斎にあります。江戸時代には、贅沢が禁止される法律「奢侈禁止令」が発令され、人々に贅沢を禁止し、倹約に努めるよう呼びかけられました。
それにより、金彩、絞り、刺繍などの豪華な着物が禁止されました。その際に開発されたのが、色彩豊かかつ美しい染着物「京友禅」でした。
加賀友禅の特徴でもある、「糸目糊」(デザインを縁取るように見えている白い糸。筆を用いて、彩色する際に色が滲んで他のデザインに移っていかないようにする効果がある。)は元々京友禅の技術で、加賀に派生し加賀友禅にも用いられているそうです。
今では、染技術に加え、江戸時代では禁止されていた技術も用いられるようになり、より一層、豪華絢爛な着物が作られています。
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お皿にも用いられる京友禅の技術
「京友禅」と聞くとやはり一番初めに思い浮かべるのは着物だと思います。日本の生活様式の変化により着物を普段着として着る人もめっきり減ってしまい、着物産業は需要が減少しているという現実に直面しています。その状況を打開するために、京友禅の技術を身近な商品に反映させた商品が生まれています。
例えば、二鶴工芸によって製作された京友禅の技術を生かした飾り皿。京友禅に用いられる金箔加工がガラスと組み合わさることで生まれる色彩は観るものを魅了します。
来客の際には、実際に菓子を置いて楽しむこともできます。京友禅は分業で細かく分けると20工程に分けることができ、工程ごとに確立された職人技が存在します。それぞれの職人の手技が皆さんに届くようにオンラインストアでご準備致しました。是非、職人の手技をご覧ください。
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長い歴史を持ち今もなおその技術が継承され続けている「京友禅」。長く受け継がれてきたその技術が新たな変容を見せようとしています。あなたの生活の一部に日本文化を是非取り入れてみてはいかがでしょうか。
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